横で眠る「あなた」【未完】
第7章
グラウンドで始まった後夜祭。
後夜祭は、いつも通りキャンプファイヤー形式。

フォークダンスがあったり、学校内バンドの演奏があったり、先生の飛び入りの歌や演奏があったり。

ただ、いつもと違うのは、今回は卒業式。
ここにいる3年生は、4月にはここにはいないという寂しさがどこかにある。
だから、より一層盛り上がる。
去年、出なかったことをちょっとだけ後悔した。

そんな時、フォクーダンスの曲がオクラホマミキサーになっていた。
これって、カップルとかはもりあがるんだよね。と見てると奏先輩と恵子が踊り始めた。

ビックリしてみていると、理先輩が、「あれは、虫よけだな。」と言う。
わけがわからず「虫よけ?」と聞くと。
「そう。踊ってください攻撃から逃げてるわけ。」と言う。
なるほど。と思ったけれど。

そんなことして恵子大丈夫?
「恵子が心配?」と理先輩に聞かれ頷いた。
「大丈夫だよ。奏だってちゃんと考えてるからね。」と理先輩は言う。
そして、「それよりも、僕たちも踊らない?」と誘ってきた。
その誘いに、あまりにビックリしていると私の手を取って踊り始めてしまった。

理先輩についていくのが精いっぱいの私。
理先輩は余裕で、「奏と恵子の背丈の差だと案外踊りにくいんだよね。僕ときみくらいの方がいいんだよ。」と言う。

私は、男の人とこんなに密着して踊ったことなんてない。
でも、理先輩は、以前にも誰か女の子と踊った事があるんだ。
それは、理先輩と同じくらいの背丈の女の子なんだ。
もしかして、その子が、理先輩の気になってる子なんだろうか?

理先輩と踊りながら私の頭の中は、グルグルとそんなことが渦巻いていた。
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