牙龍−元姫−

縺れ合った糸










***




本当を言うとちょっと期待していた。“もしかしたら”を信じていたの。


今日も会えますように――‥って。会いに行けばよかっただけの話なのにね。


憐れみでも良いから情けでも構わないから………引き留めて欲しかったのかもしれない。


虚しくて寂しくて切なくて皆の隣で笑う私を描いくけど、それさえ息苦しかった。


じゃあどうやってこの気持ちを殺せばいい?


そんな術(すべ)私は持ってないの。


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