牙龍−元姫−



ぶつかってきたのは其方なのに…………と、私はイラッとした。



特に短気な訳じゃないけど余りに横暴だと思った。





「すみません。お幾らですか?クリーニング代出しますね」





私はスクール鞄から財布を取り出そうとし鞄に手を入れた――――――――が、男子高校生二人組はまた変な事を言い始めた。





「いやいや!クリーニング代なんて要らねえって!なあ?」

「そうそう!俺らとこれから遊びに行こうよ?それでチャラにして上げるからさ!」





“そっち”が目的か……


溜め息をつきたくなったが堪える。始めはかつあげのようなお金目当てだと思ったがどうやら違うみたいだった。


今まで何もこういう事は少なくはなかった為、嫌でも察しがついてしまう。馴れって怖いね。
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