牙龍−元姫−
派手な風貌の女子生徒から聞こえてくる批判に模範生は態とらしく溜め息をつく。それが更にギャル達の嫉妬の炎を燃やす。


模範生は毎日のことで慣れたのか特に動じた様子はない。その事から模範生が彼等といるのは日常的なものだとわかる。模範生は罵倒なんかで揺るがない強い精神を持っているようだ。






「あちゃ〜。アンタ等のせいでアタシ叩かれてまくり!どうしてくれんの!まさに嫌われまくり!皆から好かれる優等生を目指しているのに!お前等に慰謝料請求しちゃうぞ?キャハ!」

「キモ。可愛い子ぶんな。自分を鏡で見てから言え」

「なっ!うっさいボケ!お前なんて頭ヒヨコじゃんか!そうだよ。アタシは可愛い子じゃないよ?だから何ですか?ねえ?――――――――お前が鏡見て来いやああああああああああああ!!」

「っんだと!ブス猿ッ!調子乗ってんじゃねえぞ!」





模範生にラリアットを喰らわされた金髪の〈加賀谷遼太〉五人いる牙龍幹部のうちの一人だ。


模範生に手加減無しのチョップを繰り出している。一応は模範生も女の子なのに。しかし男にラリアットを喰らわせる模範生は世界中探しても、きっとコイツだけ。








「落ち着きなよ二人とも」



二人の仲裁にはいるのは〈七瀬庵〉同じく牙龍幹部。

スウェーデンと日本のハーフだ。プラチナアッシュの綺麗な髪が輝きを放っている。加え、物腰柔らかで王子様の代名詞ようだ。
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