獣は禁断の果実を蝕むのか。
見透かされたかのように、サイズも好みもピッタリと合う。
常務に言われたスパイ用の作られた私じゃなく。
ちょっと前までの、普通のOL。
本当の私に戻ったような。
そんな服に心の中の重りが取れたように。
ほんの少し、本当の自分を取り戻したように軽くなったから。
どうやって、専務の顔を見たらいいか分からない。
「だろうな。アナタには着飾った高級スーツより、そういうカジュアルな方が似合っている。」
クスッと笑った。
でも意外、専務って元からセンスはいいけど、よく女の人の服とか、ピッタリ合うのを選べる。
「よく私のサイズが分かりましたね。」
「ここで答えて欲しいのか?」
「答えてって…何かあるんですか?」
実は社員のスリーサイズとか、全部把握しているわけじゃないでしょ?