獣は禁断の果実を蝕むのか。

ジンワリと手には冷や汗。


ドクドクと心臓が加速する。


「これ…ですか?」


スッと私の前に差し出したUSBメモリー。


「あの…」


認めた方がいいのかな?


でも、中身を見られていたら?


思考回路は必死に選択種を選ぶけど。


答えは言葉にならない。


「もしかして、大事なモノが入っているんじゃないんですか?」


その言葉に、中身が見られていないことを確信すると


「はい。」


小さく返事をした。


スッと専務は立ち上がると、USBメモリーを私の手の中に乗せた。


「やっぱり、そうでしたか。」

「え?」


見上げた専務の顔には、憂えたような表情で私を見ている。

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