獣は禁断の果実を蝕むのか。

この後の現実が苦しくなってしまう。


だから、どんな理由をつけても認めたくなかった。


なのに、専務の耳元の言葉と。


瞳の中の獣が溢れそうな涙をこらえていることが。


ウソじゃないって。


舞い上がっていいんだって。


私にはしっかりと受け取れた。


しっかりと専務の体を抱きしめた。


温かくて、大きな専務の腕も。


きつく抱きしめてくれた。


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