結婚できるの?
このときの陽太は千香を、亜里沙は智和を、それぞれ心の隅に追いやっていた。

もともと亜里沙は陽太が好きだったし、陽太も亜里沙に心を奪われた。

初めて亜里沙を抱いたとき以上に、強くなっていた陽太の想い――。

亜里沙ならありのままの自分を受け入れ、認めてくれる……。

千香より亜里沙と一緒になった方が、自分は幸せなのでは……?


「ねぇ陽太、私と付き合って! 千香には内緒でも構わないし、付き合ってフラれても私は後悔しないから」


亜里沙の告白に陽太の気持ちは大きく揺らぎ、さらに決定打となった亜里沙の言葉……


「これから先の自分にとって、何が一番大切で、誰が一番必要なのか、見極める時間が欲しいと思わない?」

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