結婚できるの?
「なら、どうして私じゃダメなの? 私より千香を選ぶの?」


コーラの入った容器からは水滴が垂れていた。


「亜里沙がダメとかじゃないんだ。でも俺たちは終わりにした方がいい。いつか終わりにするなら、今がそのタイミングだと思う」

「陽太の言いたいこと、分かんないよ……。私がダメじゃないなら、どうして終わりにしなきゃいけないの?」


亜里沙は自己の執着心に驚き、自分でも愕然としていた。

陽太と付き合い始めたときは、フラれても構わないと思っていた。

失恋も覚悟してきたつもりだったのに……。

それがいざ現実になると、受け入れられなかったのだ。
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