結婚できるの?
翌日――。

千香と陽太は約束通り、夜8時から会っていた。

陽太の狭い部屋の中、小さなローテーブルに向き合う形で二人は座っていた。


「亜里沙が陽太を好きだったこと、陽太は気づいてた?」

「うーん……」


陽太は困り切った顔で、ハッキリ答えない。


「隠さないで話して。亜里沙からいろいろ聞いたんだから」

「…………」

「亜里沙は私よりも自分の方が陽太を理解してる、みたいなことまで言ったわ。ねぇ、どういうこと? 陽太の口からちゃんと聞きたいの」
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