結婚できるの?
陽太と亜里沙は一緒に喫茶店を出て、その場で別れた。

猫背がちに背中をを丸めて去って行く陽太の後ろ姿を、亜里沙はずっと見つめていた。

陽太は一度も振り返ることなく、亜里沙の視界から遠ざかる。

陽太の姿がどんどん小さくなって点になったとき、亜里沙はようやく視線を外した。

帰ろう……帰るしかない……。


亜里沙は自宅のマンションに向かって歩き出す。

すでに千香がマンションにいることを想像して、亜里沙の足取りは重い。

それでもとぼとぼ歩いていると、バッグの中の携帯が鳴った。
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