結婚できるの?
千香との話を終えて自室に入った亜里沙は、受け取ったイアリングを見つめていた。

もう片方もジュエリーボックスから出し、手のひらに二つを並べて。

目を細めて愛しむように、しばらく眺め続けた。


さよなら、陽太……。

このイアリングをプレゼントしてくれた愛情は、本物だったよね?

それだけは信じていいんだよね?

今までありがとう……さようなら……。


亜里沙はイアリングを名残り惜しむように握ったあと、未練を振り切ってゴミ箱へ捨てた。
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