結婚できるの?
前菜の盛り合わせがテーブルに置かれ、千香は色鮮やかなテリーヌを小さく切って口に入れる。


「美味しい。ちょっと幸せかも」

「ちょっとなんだ?」


智和に突っ込まれ、千香はフフッと笑った。

智和も前菜のマリネを口に運び、しみじみと言う。


「ちょっとの積み重ねが、大きな幸せに繋がるのかもね」

「うん、そうかも。今日ここに来るまでは幸せなんて感じてなかったけど、ここで夜景を見て、美味しい物を食べて、今は少し幸せ気分だから」

「それは良かった。誘った甲斐があるよ」
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