結婚できるの?
だが、その考えは亜里沙の誤解だった。

実際の毅は、亜里沙の気持ちを痛いほど理解していた。

気の利いた言葉が浮かばず、亜里沙を元気づける励ましが出来なかっただけなのだ。

毅の思いは亜里沙に届かない。

電車が駅に停まって、亜里沙はホームへ降りる。

もう毅のことは考えていなかった。

< 601 / 744 >

この作品をシェア

pagetop