結婚できるの?
「……ごめんなさい」


毅を見つめていた亜里沙が、力の抜けた声で謝った。

表情にも精気がない。


「俺の方こそ、あの時はごめん。亜里沙ちゃんが、信じてくれるといいんだけど」


亜里沙は自嘲的な笑みを浮かべて言う。


「今日の私、支離滅裂ですよね。自分でも何がしたいんだか分からない」

「多分、酔ってるからだよ」

「そうですね……。タクシー呼びます」
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