史上最悪!?な常務と
しんと静まり返った部屋。
「…ねえ、桃山さん?
常務にコーヒー持ってってよ」
え?
それっていっつも墨染さんの役っていうか。
自分からいつも率先してやってなかったっけ?
っていうか、
いつもより常務、来るの早くない?
予定あるとか聞いてないけど。
アタシのほうが遅いってまたどんなイヤミ言われるか。
「ねえ、桃山さん?
聞いてる?」
「えっ!あっ、はい…。
でもそれって…」
「いいから、今日は桃山さんに代わってあげる」
「それから他の常務直接の用事も桃山さん」
今度は向島さんが言う。
へ?どういうこと?
そういうのやりたいんじゃないの?
島津さんのほうを見ると…。
一瞬目が合ったけどすぐにそらされて
「やっぱりね、
うん、桃山さんの仕事でしょ…」
聞こえるか聞こえないような声でそう言った。
なんか、よくわかんないけど。
やればいいんでしょ、
やれば。
アタシは社内用の小さなバッグを自分の席に置き、
急いで給湯室へと向かう。