ふたつの背中を抱きしめた



数時間前に柊に抱かれた身体を

同じ夜に綜司が愛でる。


それは、もう私の日常。

今宵も
カーテンの隙間から覗く銀の月を見ながら、私は罪と快楽に狂っていた。



もう、どちらに抱かれても私の胸が昂る事はない。

ただ罪悪感だけが心を塗り潰し、その苦しさから逃げ出すように快楽を求めた。

悦びなんて、無い。

それでも私が2人の愛撫を受け入れるのは

ただ純粋に

彼らを安心させたかったからだった。


「真陽。」


そう呼んで微笑んでくれればいい。

それだけでいい。


あとは私が、その笑顔を守り続けるよ。

この身が果てるまで、ずっと。


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