ふたつの背中を抱きしめた

3.堕ちた先の答え





11月の高い空を見上げながら

私はぼんやりと考えていた。


私は綜司と柊のなんなんだろうと。


彩ちゃんに叱られてから、ずっとその想いが胸に渦巻いていた。


女として、彼らを愛し
女として、彼らに愛されてると

そう思っていた。

けれど。

私を抱きしめ私を求める手は、本当は何を求めてるんだろう。

そして私は、いったい何で在りたいんだろう。


見上げた青空はどこまでも高く澄んでいて

その汚れのない蒼に

私の胸は悲しく締め付けられるばかりだった。



< 234 / 324 >

この作品をシェア

pagetop