ふたつの背中を抱きしめた


以前住んでいたとは言え、今は全く知り合いの居ない土地で
綜司さんの申し出はとても有難いものだった。

それに、13年前に別れた幼なじみがどんな風に成長してるか
私は好奇心を掻き立てられた。

住む所は既に親と見て決めてあったけど
足りない物を向こうで買い足したり
駅前の駐輪場を借りたり
近所に何があるか散策したり
まだまだやる事は沢山あったので
私はそれらを口実に綜司さんの厚意に甘える事にした。


そうして迎えた春休み。

18歳になった私と

22歳になった綜司さんは

再会した。


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