ふたつの背中を抱きしめた


私は仕事をしながら1日中柊くんのコトが頭から離れなかった。


どうしよう、どうしよう。

今日、柊くんが来ないのは私のせいだ。

話したい、柊くんと。

でも何をどうやって話せばいい?

誤解だって、
別に同情して言ったワケじゃないって
本当に友達になりたかったんだって

そう言えば柊くんは許してくれるの?



…違う。
そうじゃない。


そんな上っ滑りな言葉が柊くんに届くワケがない。


だって私


本当に柊くんの友達になりたかったの…?


4つも年下の、趣味も考え方も違う男の子と、本当に友達になれるとでも思ったの…?


園長に言われて、責任感を感じて、柊くんに近づこうとしただけなんじゃないかな。

責任感や同情じゃなかったと言い切れるのかな。





………違う…。



笑って欲しいと、思った。


柊くんの笑顔が見たいと



私に



私に笑いかけて欲しいと
、思った。





私は…

本当は

柊くんの何になりたかったんだろう。




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