お姫様のオオカミ


先生に押し切られ、行く羽目になった。
渡された地図の通りに向かっていくと河原が見えてきた。

「ほんとにここにいるの…?」

あたりには何もない。
川と草しかない。

「はぁ…「溜息なんかついちゃって、君ひとり?」

「えっ!?あの…へっ平気なんで気になさら「いいじゃんいいじゃん。ひとりなら一緒に遊ぼうよ。ねっ?」

「溜息なんか忘れちゃうくらい楽しいことしようよ」

連れていかれる!!ナンパらしき人に腕を掴まれ、身動きが取れない。
どうしよう…

「あの大丈「おい、お前らここでなにしちゃってんの?」

ナンパの人とは違う声。声のする方を見た。…写真の人!!
髪の色は金髪になってるけど、間違いなく写真の人だっ!

「あぁ?てめぇには関係ないだろうが」

「かもな」

「てめっ!!!」

突然殴りかかったナンパの人。

Σドズッドカッバコッ…

写真の人、めっちゃ強い…
って感心してる場合じゃなかった!

「やっやめてください!もう気絶してますからっ」

後ろから彼をナンパの人から引きはがすように引っ張った。

「…そう」

とりあえずやめてくれた。

「お前、こんなとこ一人で歩いてんじゃねぇよ」

そう言ってどこかへ向かって歩いて行った。

確かに、ナンパにあわないように気をつけなきゃ。
…なんか忘れてるような?

「あっ!!」

思わず大きな声を出す。

「…なんだよ。まだなんかあんのかよ」

「あの…あの、桜井玲央…さんですか?」

「そうだけど。何?」

一瞬で眉間にしわが寄った。

「私、あの…あなたのクラスの学級委員で、春瀬詩音と申します。先生にあなたを学校に連れてきてほしいと頼まれまして…」

「やだ」

彼は走り去っていった。

「えっ!?」

『やだ』って…そんなっ。
彼を見失わないように追いかけた。
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