冥界のエトランゼ


ドアから、ひょこっと陽向が顔を出した


「どうしたの?忘れ物?」


「いや、美柚…。暗くならないうちに、早く帰れよ?」


それだけを言うために戻ってきてくれたのかな


私は顔が、かぁっと熱くなるのが自身にもわかった


「うん、ありがとう」


「じゃあまた明日」


陽向が去ったのを確認してから、私は自分の顔を手でそっと覆った



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