ジュリエットなんて呼ばないで
あれ、あれ。
私今ゆーじに抱き締められてない?
てか今ジュリエットって。名前で呼んだよ。
「ゆうじ、さん?」
「頼む、行かないでくれ」
後ろから温かい腕が私を包んで、優士の顔が横にある。
初めて感じる人肌の温かさに、どうしようもなく体が熱く反応する。
やばい、これ病気だ。
心拍数が有り得ない数値叩き出してるもん。絶対に。
誰か助けて。こいつから助け出してください。
「俺の上着、返して」
「…………はい?」
今なんと?
「俺の上着着たまま帰るな」
あ、あぁ、そういうこと。
なるほどね。
「……ハァ」
「どした?」
「うるさいゴミクズ」
「ゴミクズ!?」
何でかわからないけど、すごく腹が立つ。優士が悪いわけじゃないのに、すごくムカつく。
結局なぜか優士の話を聞くことになった。
「人間の世界のいいところはだな……、うーん」
ないんでしょ?
そう言おうと思ったけど、喧嘩になりそうなのでやめておいた。
「友達とかでゲーセンいったり、夏休みに山とか登ったり、冬休みにスキーとかできる」
「……人魚だって、遊べるもん」
「ゲーセンねえだろ。それに山とかねえだろうし、スキーとかできないじゃん」
もっともなことを言われてしまい、私は何も言えなかった。
優士はまだまだ人間世界のいいところを言っていき、私はそれを黙って聞いていた。
「それから……って、なにしかめっ面になってんの」
優士は不機嫌な私に気づき、顔を覗きこんでくる。
「……だって、なんか悔しいから」
「悔しいって……なんで」
「わかんない。でも悔しいの」
意味がわからない。とでも言いたそうに、優士は首をかしげた。
わからないよ。
別に私と優士はそこまで親しくないのに。優士がどこで何しようが、私には関係ないのに。
優士が私の知らない何かで笑うことが、私の知らない何かで喜ぶことが。ひどく憎たらしくて仕方がない。
「……私も人間だったら」
人間だったら、優士と……。
「人間が羨ましいのか?」
「へ?」
「なんだ、そんなことか」
「いや、あの……。あーもう、それでいいや」
「投げやりだな」
そうです。人間が羨ましいの。
そういうことにしておいてください。
私今ゆーじに抱き締められてない?
てか今ジュリエットって。名前で呼んだよ。
「ゆうじ、さん?」
「頼む、行かないでくれ」
後ろから温かい腕が私を包んで、優士の顔が横にある。
初めて感じる人肌の温かさに、どうしようもなく体が熱く反応する。
やばい、これ病気だ。
心拍数が有り得ない数値叩き出してるもん。絶対に。
誰か助けて。こいつから助け出してください。
「俺の上着、返して」
「…………はい?」
今なんと?
「俺の上着着たまま帰るな」
あ、あぁ、そういうこと。
なるほどね。
「……ハァ」
「どした?」
「うるさいゴミクズ」
「ゴミクズ!?」
何でかわからないけど、すごく腹が立つ。優士が悪いわけじゃないのに、すごくムカつく。
結局なぜか優士の話を聞くことになった。
「人間の世界のいいところはだな……、うーん」
ないんでしょ?
そう言おうと思ったけど、喧嘩になりそうなのでやめておいた。
「友達とかでゲーセンいったり、夏休みに山とか登ったり、冬休みにスキーとかできる」
「……人魚だって、遊べるもん」
「ゲーセンねえだろ。それに山とかねえだろうし、スキーとかできないじゃん」
もっともなことを言われてしまい、私は何も言えなかった。
優士はまだまだ人間世界のいいところを言っていき、私はそれを黙って聞いていた。
「それから……って、なにしかめっ面になってんの」
優士は不機嫌な私に気づき、顔を覗きこんでくる。
「……だって、なんか悔しいから」
「悔しいって……なんで」
「わかんない。でも悔しいの」
意味がわからない。とでも言いたそうに、優士は首をかしげた。
わからないよ。
別に私と優士はそこまで親しくないのに。優士がどこで何しようが、私には関係ないのに。
優士が私の知らない何かで笑うことが、私の知らない何かで喜ぶことが。ひどく憎たらしくて仕方がない。
「……私も人間だったら」
人間だったら、優士と……。
「人間が羨ましいのか?」
「へ?」
「なんだ、そんなことか」
「いや、あの……。あーもう、それでいいや」
「投げやりだな」
そうです。人間が羨ましいの。
そういうことにしておいてください。
