夢でいいから~25歳差の物語
教え、教わって。


笑い合って。


愛し合って。


時には誤解し合ってぶつかってケンカして。


そんなふうに出会ってからの7年間、私達は共に歩いてきた。


そしてこれからも2人で人生という名の旅を続けるのだろう。


25歳差の物語はまだまだ終わらないんだ。


未来のことは誰にもわからないけど、そばにいてくれる人がいればきっとそれだけで幸せなんだ。


それだけで生きる勇気がもらえるんだ。


「ねぇ、先生」


「ん?」


「こんな私だけど、この先も一緒だよね?」


「当たり前だろ。地獄の果てまで付いていってやるよ」


「怖っ。っていうか私、天国じゃなくて地獄行きなわけ?」


「冗談だ、冗談」


「もーっ」


私達は笑いながらカーペットに転げ合う。


夜はまだ始まったばかりだった。








「…」


私は隣で静かに眠る先生を見る。


相変わらず黒い絹のような先生の髪を弄りながら、私は幸せを感じていた。


夢でいいからって願ったことも幾度となくあったけど、やっと手に入れた愛。


その愛を私は永遠に、地獄の果て…ではなく天国まで持っていく気だ。


これからも色々なことが待っているだろうけれど、私は負けない。


先生が父親になったり、記憶を失ったり、とんでもないこともたくさんあったけど、ここまで頑張れたんだ。


先生と一緒ならどんな試練でも乗り越えられる気がする。
< 343 / 369 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop