夢でいいから~25歳差の物語
「好きだよ」


そこで私は深呼吸した。


「先生」


人生って何だろう。


人を愛するって何なんだろう。


数ヶ月前、そして数時間前に自分で投げ掛けた疑問に結論は出ていない。


答えなんてきっとこれから見つけられるし、もしかしたらないのかもしれないけれど。


でも、焦らずゆっくり探していきたい。


この愛の果てにあるものを。


そして私なりの、私だけの生き方を。


私は立ち上がり、電気を点けてカーテンを閉めてからまた彼の腕の中に潜り込んだ。


…温かい。


最愛の夫(ひと)のぬくもりと優しい鼓動を感じながら、私はまたうとうとと穏やかな眠りの世界に引き込まれ始めていた。


Special episode4「冬-凍てついた想い」完
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