幕末オオカミ


「総司……」


「あー、えっと、たまたま!
たまたま通りかかったら、いきなりふすまが開くからビックリしたなーもー」


「慌てすぎて、言葉がおかしいぞオイ」



土方副長が笑いをこらえて言った。



「素直に、気になったから見に来たって言えば?」


「あぁ?いや別に、気になってねぇし」


「沖田くん、どうやコレ~」


「はい、山崎監察はやっぱりすごいです。
この山猿を人間の娘にするなんて」


「誰が山猿だっ!!狼に言われたくないわっ!!」



ポカポカと総司を殴ると、副長も山崎監察も笑った。



「あー、悪かった悪かった!
綺麗だって!ほんとに!」


「嘘つけっ!
目を見て言え、目を見てー!」


「あー、着物が崩れるから、じゃれあうのもそのへんで……」


「「じゃれてねぇよ!!」」


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