幕末オオカミ


酒樽と見せかけたものの中から、確かにその匂いがした。



「弾薬か……?」



下手に動かすと危ないかもしれない。


しかし、樽はずらりと蔵の床に所狭しと並んでいる。



「こんなに……戦争でも始める気か……?」



身震いがした。


これを、桝屋は運びこんでいたんだ。


そこには確かに、倒幕派の執念と怨念が渦巻いていた。


< 414 / 490 >

この作品をシェア

pagetop