幕末オオカミ


「猫かぶり……」



そんな柔和な態度できるなら、あたしにもそうしてくれたらいいのに。


ま、仕事だから、組のために仕方なくやってんだろうけど……。


近藤局長の顔をつぶさないよう、新撰組の悪名をこれ以上高くしないように。



「ご協力、ありがとうございました」



どうやら不逞浪士はいなかったらしく、一番隊は礼を言って出て行った。


そう、今の新撰組の主な仕事は、不逞浪士の取り締まりだ。


沖田率いる一番隊は、地味に、地道に、京の街を歩き回った。



「……つまんないの……」



意外と地味で大変なんだな、新撰組って。


あたしはため息をつき、ある旅籠の屋根から、京の街を見渡した。


もうほとんど、明かりは消えている。


暗い。あたしが夜目が良くなかったら、手元の地図もほとんど見えないだろう。


まだ明るいのは、お茶屋とか、旅籠とかか……


「ん?」










< 80 / 490 >

この作品をシェア

pagetop