プレシャス・ラブ ♪

─スミレ─

「ただいまぁ~。」

「あら?先生は?」

「帰ったよ。」

私は、平然を装いながら家の階段を上る。

「早くお風呂入りなさいよ~」

「は~い!」

お母さんに返す言葉は、いつも通り。


でも、本当はドキドキしていて、抱き締められた感覚が身体に残っていて…。

お母さんに気付かれないように駆け上がりたい階段を、少しだるそうに上った。


部屋に入ると、ベッドの中に潜り込む。


このそわそわした感覚。


抱きつきたい感覚。


この感覚は、お風呂から出てもずっと続いてた。


──家着いた。オヤスミzzz…


ユタヤからの初メール。


保存♪

メールは、沢山残るけど、なくなっちゃったらヤダからね。




その日は、ギュッと掛け布団に抱きついて、恵に彼氏出来た報告とおやすみメールを送って眼を閉じた。



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