たとえ人類が滅びようとも

ふと,周りを見渡していると何かに見られている感覚がした。
近くを見渡すが皆自分達に夢中。
螢の方を見ると何かを感じたのだろう
同じように辺りを見回し僕を見た。
何が言いたいのか2人には分かっていた,目を見てれば言いたいことも分かるようになった,
長い付き合いだから。
誰もいないし何もいない、
気のせいだなっと2人して笑った。

カァ― カァ― カァ―

その時,鴉の鳴き声が真上から聞こえてきた。
僕と螢は見上げると 鴉は平然と鳴き続けている。
螢の方を見ると眼をキラキラさせていて嬉しそうだ。
また溜息をつき,気のせいかと思った。
そうだと言うように鴉は飛び立ち去って行く。
と、去って行ったと思った鴉が
運動場にいた林先生目掛けて急降下していく。

まるで騙されたねと馬鹿にするように鳴きながら。

鴉は林先生に飛びかかると喉,頭,手,背中などを狙って攻撃し始めた。
「...ぅわぁぁぁ―」
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