たとえ人類が滅びようとも

僕等生徒は状況把握できずに
立ち往生していて、
林先生本人は必死に
振り払おうとするが効果がない。
その内どこから来たのか鴉は一羽,二羽と数を増やしていき,
とうとう林先生を覆い隠す量になっていった。

近くにいた生徒達が駆け寄り追い払おうとし,
別の数名が他の先生を呼びに行った。

早苗が何か言っているが大丈夫だと言い僕は考える。

頭の中ではあるはずがないと分かっているが,願っている自分がいる。

‘先生がゾンビみたいになる’ことを。

それは漫画の中だけだと。
考えを振り払おうと頭を振る。

「....ねぇ、冴。あれヤバくない?」

早苗の問いかけにハッとなった。
林先生の方をみると、顔や腹や手足をつつかれ所々肉がちぎられて、左の目玉が垂れ下がっている。
生徒達は悲鳴を上げ
逃げるように林先生から離れていき、
変わりに他の先生達が駆け寄った。

僕はこの場を離れようと言う早苗を無視して場に止まる。

外にいた生徒達は昇降口の方で固まっていて、校舎にいる生徒達は何事がと窓に群がっている。

内心で舌打ちをし、
早苗と蛍を連れて教室に戻ろうとした時、
どの先生かの声がした。

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