白球の彼方~君に託した夢~
「俺でよかったら話し聞くよ?」
『いや、ちょっと小学校の頃の友達が恋しくなってさ。
入学してから早速会いたくなっちゃうんだよな。』
竜稀は優しい眼差しで、かつ真剣に話しを聞いてくれた。
「まぁ俺は地元が近くだからその気持ちはあまりわかんないけど、
俺らが全国に行けばその友達も見てくれるんじゃない?」
『え?』
「あれ?翔也知らないの?
中学の軟式大会も今、活発だからNHKでもやるらしいよ。」
『そうなのか!?』
「だから俺らが有名になった頃には皆テレビに釘付けだぞ?」
竜稀は桃ジュースを一口飲んで笑う。
「だから、頑張ろう。親にも友達にも俺らの頑張りが伝わるように。一緒に頑張ろうよ。」
『竜稀…』
「一年からこんな事思ってたら将来楽しみだな!」
竜稀が同部屋でよかったと思った。
気軽に相談できて、元気がないときは面白可笑しく話してくれる。
イケメンで性格も良いなんて天才じゃねぇか。