白球の彼方~君に託した夢~
恋
チャラララン~♪
竜稀の着信音が響く。
「あ、ちょっとゴメン。」
竜稀は携帯を耳に近づける。
「あぁ、なんだ美愛か。どうした?」
ん?
美愛……雛菊美愛?
「こうして話すのも久々だな、同じ中学なのに。
うん、うん、確かに昔みたいにまた遊びたいな。」
昔…?
この時なぜか俺は心の奥をハンマーで叩かれた気持ちだった。
緊張なんてしてないのに心臓が苦しくなる。
雛菊の名前を聞いただけで。
そして竜稀に電話をかけてくる雛菊になぜかイラつく自分がいる。