白球の彼方~君に託した夢~



チャラララン~♪


竜稀の着信音が響く。


「あ、ちょっとゴメン。」

竜稀は携帯を耳に近づける。




「あぁ、なんだ美愛か。どうした?」




ん?



美愛……雛菊美愛?


「こうして話すのも久々だな、同じ中学なのに。
うん、うん、確かに昔みたいにまた遊びたいな。」




昔…?




この時なぜか俺は心の奥をハンマーで叩かれた気持ちだった。





緊張なんてしてないのに心臓が苦しくなる。



雛菊の名前を聞いただけで。

そして竜稀に電話をかけてくる雛菊になぜかイラつく自分がいる。





< 37 / 94 >

この作品をシェア

pagetop