白球の彼方~君に託した夢~
「翔也くんが野球の気持ちに集中出来なくなるから。」
『それってどうゆう…』
「もうなんでもない!!」
いきなり怒鳴り立ち上がる雛菊。
『何でもないって何だよ!お前が呼んだ癖に…!』
違う。
こんな事言うつもりないのに。
「もう…駄目なの。」
『駄目…?』
「今日の事は忘れて。翔也くんの為にも…ね。」
雛菊の言ってる意味がわからない。
『…じゃあ、俺もう寮戻るは。』
「うん…今日はゴメンね!ありがとう、またね。」
そう言って雛菊は自分の家に帰っていった。
俺はただ呆然と立ち尽くす事しかできなかった。
結局雛菊は何が言いたかったんだろう。
この雰囲気は…あまりよろしくないな。