白球の彼方~君に託した夢~
「あのっ!!」
いきなり雛菊が物陰から身を出し大声をあげる。
え、隠れたの意味なくね…?
「え?美愛ちゃん?何でそんなとこおんの。」
「翔也くんも一緒です。ホラ。」
雛菊は俺を引っ張り立ち上がらせる。
「まさか俺の予想通りだったとは…「違います。」
きっぱりと言い切る雛菊。
ちょっと傷つく。
「私達一年をどうするんですか?」
真剣な表情な雛菊、こんな顔見たのは初めてだ。
「…俺ら三年は、一年の頃先輩からめった打ちにされたんよ。」
船木先輩が口を開く。
「イジメに耐えられなくて、自殺した奴がいた。勿論俺達と同い年のチームメイトが、屋上で。」
東先輩も口を開く。
「それが問題になってニュースになった事もあった。おかげで新人戦は出場停止や。俺らは何も悪くないんやけどな。」
そんな事が…
気付けば東先輩はずっと下を向いていた。
「それを私達にするんですか?それっておかしくないですか?」
「ちゃうねん美愛ちゃん。
最初は俺らも下級生にはなるべく優しい様にしよう決めてたんや。
でも…段々皆おかしくなってきたんや。
後輩持つんがこんなムカつくなんて…ね。」
少し俺を睨む東先輩の目。