白球の彼方~君に託した夢~



打球はレフトの頭をギリ越えて落ちた。



一塁にいたランナーは生還。


俺は二塁に滑り込む。


「セーフ!」

審判の声が聞こえる。




「ナイスバッチー!!」
海「翔也ー!!俺は信じてたぞー!!」


スタンドから、ベンチから
歓声がする。




初打席初ヒット。




ようやく俺は理解した。

二回裏の1の数字は

自分が入れた一点だと。



『はは…やった…やってやったぜ!!』




俺はチームに貢献した。




それがこんなにも嬉しい事なんて

小学生の頃は感じなかった。




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