白球の彼方～君に託した夢～

｢ねぇねぇ、君もしかして野球部志望?｣

俺の前の席に座っていた丸坊主の男がはなしかけてきた。

俺と同じくらいの細ﾏｯﾁｮ体型で、なかなかのｲｹﾒﾝ。

『そうだけど…』
｢ポジションは?｣
『ｷｬｯﾁｬｰとｼｮｰﾄしてたけど、中学からはｷｬｯﾁｬｰ志望。』

｢マジで!?名前は!?｣

いきなりｷｬｯﾁｬｰという言葉に食いついた男。

『桑音翔也。お前は?』

｢倉持海斗(ｸﾗﾓﾁｶｲﾄ)!未来のｴｰｽﾅﾝﾊﾞｰ背負う奴!
あ、海斗って呼んでな｣


ｴｰｽﾅﾝﾊﾞｰって事はピッチャー?
元気なピッチャーだなぁ…


｢俺いま未来のバッテリー相手探してたんだけど、なかなかいなくてさー｣
ははは、と笑い
日焼けした肌とは対称的に白い歯が見える。


｢よろしくな!未来のバッテリーさん。｣

『よろしく。』


そう言うと海斗はまたニッコリ笑った。