情炎の焔~危険な戦国軍師~
「昨日は俺が駆けつけたからまだ良かった。だが、もしそうしなかったら。それを考えると…」


そう言って左近様は悲しげに目を伏せる。


「あんたをあんな危険な目にはもう遭わせたくない」


その澄んだ瞳に本気がうかがえる。


「本当は戦になんて出ないで、城で待っていてほしいくらいです」


「ありがとうございます。でも私は戦わなきゃならないんです」


皆の行く末を知っているのは私だけ。


つまり運命を変えられる可能性があるのも私だから。


「左近様」


私は覚悟を決めて言う。


「共に駆けましょう。駆けて駆けて駆けまくって乱世の1つや2つ、さっさと終わらせましょう」


「そんなに自信満々だと逆に心配になりますよ」


苦笑いされたが


「でもその通りですね。こんな悲しい時代は早く終わらせなければならない。殿の望む未来のためにも」


と言ってくれた。


そしてその夜。
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