理系彼氏！

自宅にはリュウと遊んでいてくれている達也くんがいた。

「おかえり、遅かったね」
「うん、ちょっとね」
「ふうん、誰かと遊んできたの？」
「違うよ」
「何してたの？」
「仕事」
「仕事場から家まで車で行っても行って帰ってくる往復の時間でも10分程度だよね。」

つまり、彼は片道5分の職場で仕事をしてたわけじゃないだろうと言ってるのだ。
残業ってものを知らないのかな・・。

「残業よ！」
「・・ムキになってるところでそれは嘘だな」

・・確かに、嘘なんだけどね。

「そんなんじゃないわよ！なんで信じてくれないの！？」
「しんじてるよ」
「じゃあそんなこと言わなくてもいいじゃない！」
「心配してたのにそういうこという？」
「・・もういいよ・・。もう知らない！！」

私は、自宅をあとにして樹里の家に向かった。
達也くんが慌てることを願いながら。