総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜




「だってさぁ、先に攻撃を受けたのって飛鳥だよね?」


『そんな事ない!殴られる直前に足払いかけたし!!』


「でも、先に隙を突かれたのは飛鳥の方だしなー」


『あれはわ・ざ・と!隙を突かれたたんじゃない、突かせてやったんだ!』


「本当に?」


『本当だよっ!』


「へぇ……」『うー…っ』



疑いの眼差しを向ける大輔を、唇を尖らせて睨みつける。


けれど、そんな表情は一瞬で崩れ去り――…



「ふっ、」『ぷっ、』


「『あっはははははは!』」



私達はお互いの顔を見合わせると、大声で笑い始めた。


それだけで、今までお互いの間にあった溝が埋まっていくような気がして。


それがまた、嬉しくて。



「『はははははっ!』」



私と大輔は、地面に寝転がったまましばらく笑い続けたのだった――…。



< 285 / 295 >

この作品をシェア

pagetop