夢見るゾンビ

夏休みが終わり、二学期が始まった。

何かが変わっているかと期待した私が、バカだったのかもしれない。

一学期が終わったのが昨日のように、みんなの顔が少し黒くなっている以外は何も変わっていなかった。

私の靴の中には毎朝、日替わりで何かが入っているし。

机の落書きも、一人で昼ごはんを食べるのも変わらない。

竹内さんも、夏休みのあの出来事が嘘みたいに無表情に戻っていた。

いや、竹内さんはそれでいい。

それでこそ、竹内さんのような気がする。

「それじゃ、何も変わらない」

そう言った竹内さんの言葉が、いつまでも頭に残っていたけれど、何をどうすればいいのか私は答えが出ないまま毎日をやり過ごした。


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