君にあえて ‐‐一般人の私と芸能人な君‐‐

「菜桜!バスきてるよ!」
瑠夏がバス停に先につき、遅れてくる菜桜を急かす。

「うんー!」

私は必死で走ってバス停に着き、瑠夏と一緒にバスに乗り込んだ。


まだ、朝早いからかバス内はかなり空いていた。

私達は左側の後ろから三番目の二席に座った。


「さっきの人。本人だと思う?ファンからみて。」

瑠夏が聞いてきた言葉は意外な言葉だった。

「どうしたのいきなり?でも、まぁ、ただの同姓同名の人じゃないかな?」
「だよね!うちもずっとそう思ってて…モヤモヤしてた。」


瑠夏が笑いながら言った。

聞いてみると
瑠夏は私のために聞いてくれたらしい。

「なんか、悩んでたから…」

で、多分それで悩んだんだろうなぁ。


「というか、性格違う!あいつがアイドルでも絶対好きにならないし♪」


初対面といい、性格悪ッ!
なんか
イライラー…。


横を見ると瑠夏がつぼったのかクスクス笑っている。

「どうしたー?」
「だってさ、アイドルの奏は好きだけど同姓同名の人はだめとか、ホントにアイドルの奏好きだなぁ…って思って」

瑠夏!
本当にその通りだよ!

私は、本物(アイドルの方)の奏じゃなきゃダメなんだー!!


「でも、同じ名前が二人いると面倒だよねー…。アイドルの奏は『奏』でいいとして…あいつはどうしよ?」

私達は笑いながら意見をだしあっていく。

『ごく悪君』
『偽奏』
『性格×!』
などなどー…

ほとんどが悪口だった気が…

相当、私達あいつにイライラたまってたな(笑)


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