お隣注意報


今日は日曜日。

なんでかいつの間に決まってた一日彼女制。

めんどくさい。

せっかくの日曜日をなんで恋人でもないやつと出掛けなきゃいけないんだろ。

「ごめーん待ったぁ?」

「ううん。大丈夫。」

うそ。

待ったよ。

なんで勝手に時間決めといて遅れてくるかな。

化粧とかどーでもいいし可愛くないし。

てゆーか付き合ってもいないのに腕に引っ付かないでほしい。

歩いていると昨日見た顔の人がいた。

「あ、工藤さん。」

一人なんだ。

実際オレも一人だけど今は仮のやつがいる。

「もぉー詩蓮っ!」

うるさいな、今工藤さんと喋ってたのに。

あー、いっちゃったよ。

仕方ないのでこの腕にきつく絡まってる腕にイラつきながらデートを再開した。

「今日は楽しかった!」

「オレも。じゃあまたね。」

「あ…まって!」

「ん?」

あぁ、キスね。

そんな上目使いしたってしてやんないけど。

「…ねぇっ」

…仕方ないか。

ほっぺに軽く触れるぐらいのキスを落とす。

「またね。」

どうやら、オレのこのテキトーさが草食系と名付けられたようだ。

本当はそんなんじゃないのに。

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