恋する家庭教師

恋する家庭教師 葵編 ③

「こ、こんにちは…」


ガチガチに緊張してるのがモロにわかる先生は、お辞儀をして靴を脱ぐ。その動作だけで、先生を守れるような大人に速くなりたいと思う。


先生の靴は俺より小さい。それに驚いた。


だって、先生は俺よりほんの少し、ちょっとだけ高い…なのに靴が小さい…。

何だか、愛しさが込み上げてくる気がする。
抱きしめたい衝動を堪えながら部屋へ共に歩く。


何度か授業をしていたけれど、先生はずっと髪を下ろしたまま…。


…正直、髪を下ろしたままだと、先生の顔があまり見えない。





授業に集中しなきゃいけない事はわかっているんだけど…。顔を見て、授業中にどんな表情をするのかが気になる。
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