笑う門にはオレ様がきた!!
そんな事を悶々と考えていると


たまたま、ニューヨークにいる
オレの古くからの知り合いが
大きな仕事をするらしく


出来のいいアシスタントを
紹介してもらえないかという
話を持ちかけてきた。


とっさに心音が適任だろうと思った。


心音にとっては
二度とない良い話だ。


オレの知り合いなら
心音の事をちゃんと
見てやってくれるだろうし


海外での経験は
そう出来るもんじゃない。


向こうは何事にもシビアだし
これからこの業界で食っていくなら
またとない成長できる
絶好のチャンスだと思った。








但し、
ニューヨークに行ったら
最低でも三年は帰れないらしい。


三年かぁ…。


いいや早くてもな訳だし
それ以上ってこともあるかもしれない。


一旦、離れてしまうと
二度と心音はオレの元には
帰ってこないんじゃないか?


邪な思いが頭を巡る。


だったらオレの女として
これまで通り
ずっと側に置いておくか?


何も無理して離すことはないだろう。
















オレは漸く心を決めることにした。








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