笑う門にはオレ様がきた!!
少し拗ねた顔で
師匠を睨み付けてみる。


可愛く見えるようにと
口を尖らせ上目遣いにもしてみる。


なのに師匠ときたら…


「お前さぁ……、変な顔してどうした?
あっ、腹でも痛いのか?
大体、お前は食いすぎなんだって
ちょっとは、食べる量考えろよ。
デブるぞ?
まぁ、デブってもオレ構わないけどな
ムッチリしてるのとか嫌いじゃないぞ。」












「………………」


何も言葉が出てこない……


さっ、とっとと洗い物片付けよっかな


じゃんじゃん洗って洗って


何もかも洗い流すのよぉ~。


と、気合いを入れて


立ち上がろうとすると


腕をぐっと引っ張られて
師匠が組んでる胡座の上に
ストンと座る形になる。


「えっ?師匠…?」


「お前さぁ、何回言わせんだよ
二人でいる時くらいそれ止めろよ。」


「それ…ですか?」


何を言ってるのか分からない。


「師匠ってやつ」


と、ぶっきらぼうに言う師匠。


ああ、なるほど。


でも……


「師匠だって私の事
名前なんかで呼んだこと……」


と、拗ねた顔で今一度、
師匠を見るとーーー


「分かった。分かったって。
えーっと、じゃっ、心音?」


はあ?


「じゃって何ですか?
じゃって!
まるでめんどくさいみたいな
空気丸出しじゃないですかっ!」


思わず声を荒げる私。


「わかったわかった
そう、怒るなって、
なっ?機嫌直せよぉ、心音?」


優しい声でそう言うと
私を後ろからギュッと抱き締める。





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