叶わない約束~forever~
杏菜Side

帰り道
うるさい斗真でさえも
黙っていた


うちらの悪いとこ
零弥のことになると
泣く
怒鳴る
黙る

後悔する…


いっつもそうだった。

空を見上げると
バカなことしてんなよ

って大人になった
零弥がいってくれた

でも今回は訳が違う

傷ついたのは鈴羅だ

スケッチブックを見られるのが
鈴羅は嫌だった

ーーーーーーーーーーーーーー小学2年

「何これ?もしかして鈴羅ちゃんもうこの世にいない人を想像して描いてんの?」

鈴羅はただ零弥を近くに感じたかっただけだったんだと思う

「えっ?きも」
男子の声で
みんなにはばにされた

それから絵を描くのも
嫌がって
スケッチブックを見せるのも
嫌がった


描いてるときの鈴羅は輝いていた

だから
うちらにとって
絵を描くことをやめてほしくなかった

そして
零弥を近くに感じたかった
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