叶わない約束~forever~

過去

「高山さん?よろしく。すずらってよんでもいい?」

零弥に似た人は
私の前の席になった。

「こいつ鈴羅…」

春斗…あんがと

出来れば話したくない

「あっ…。そっか。わりぃ」

顔が見れない…


「はい!今日はかいさーん。明日は部活の紹介があんぞ!ばいばい」


なんか可愛いな


「鈴羅!帰ろ~」
杏菜は私の前の人をチラッと見てまたチラッと見た


「杏菜…。桜の絵が書きたい」

「うん!行こっか」


行きに見た桜

見るとなぜか泣きたくなった



「今日の転校生は…星弥だ!零弥とは違う!」

坂道の天辺から斗真が叫んだ

バカだな…

零弥はそんなこと知ってるよ

「あのさ、鈴羅…。あの人を見てあげよ。零弥に似た人じゃなくて星弥を。」


分かってるよ。
星弥は星弥だってこと


「そうだね…」


ピンクの満開に咲く桜が

私のスケッチブックに
写された


「完成!お待たせ」


坂道を上っていくと
斗真には目に涙の跡が残っていた


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