車座(掲示板・雑談)
「夏祭りの思い出」

 橘 伊津姫著 (19頁)

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(メガネ)

作品そのものとしてみれば、完成度は四作の中でも一番です。

なんと言っても、文章、ストーリー作り共に慣れている感じがします。
(個人的には古藤さんと似ているなと思ったり)
ストーリーから、作者の人柄が分かるような作品ですね。
あたたかくて、優しくて。

ここからはかなり個人的な趣味の話になりますが……

ホラー小説が本当に大好きなので、正直物足りなかったです。
ホラーというよりオカルトでしょうか。
日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品『トンコ』を彷彿とさせます。

小説そのものは素晴らしいのですよ。
ただ、『ホラー作品』を期待して手に取ると、肩透かしを食らいます。

しかしながら、それは私の個人的な感想であって、一般的にはそこら辺は全く問題ないのだろうなと思いました。


(ペンコ)

確かに、ホラーのゾクゾク感は余りないかもしれませんね。

しかし、ホラーの捉え方に因ると思います。私は「夜市」という作品が好きでして、ベースはおぞましいのですが、それらを包み込んで、それ以上の作品に仕立てあげる……好みの問題かもしれません。

ジョージ・ロメロのゾンビ映画が好きなんですが、やはり、ゾンビ自体の恐ろしさをベースに、人間の愚かさ、社会問題などに恐怖を覚えています。

しかし、ストレートな恐怖を追求するのも、アリだと思います。


(永花ふうさん)

映像やその賑やかさまでも目に浮かぶようでした。

『夏祭り』は誰にもそれぞれの思い出があると思います。

作品の中、登場人物の『夏祭り』への思い入れ、そしてその思いを『繋ぐ』事の意味を教えていただきました。

光が明るい程、闇が深くなる

隣り合った『人』さえも幻かもしれない

目に映るものの『儚さ』


『気付かずに失くしていくもの』の怖さを感じました。

素晴らしかったです。
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