だから、仕方ない【BL】
誰かさんのおかげで、4歳の時からそういう反射神経を鍛えられたからな。


「は?そんなん気にする間柄じゃ……」


「もー、広海君困ってるでしょ!無理矢理誘わないの!」


話をシャットアウトすべく、真実ちゃんが大地の腕を強引に掴み立ち上がった。


「じゃ、広海君またね~!」


「あ、おい」


そのまま有無を言わさず連行していく。


二人が去った後、急に俺の周りには静寂が訪れた。


いつの間にか女子グループも姿を消していて、学食には俺を含め4、5人しかいない。


俺は窓の向こうの中庭に、ぼんやりと視線を向けた。


青々と生い繁る芝生が午後の陽射しをキラキラと反射させている。


本物の輝きは眩し過ぎる……。


イミテーションの、俺には。


運命の人じゃなかったから。


勘違いでされた約束だから、きっと神様には受理されないだろう。


小さい時は深く考えていなかったのに。



……今頃になって、その事実が、何でこんなにも胸を締め付けるんだろう?


ああ、これこそまさにアレだな。


俺は再びコーヒーを口に含み、その苦さを確かめつつ、心の中で呟いた。


こんな感情は一過性のもんだ。


若気の至り。


だから、許してくれよ。
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